合同会社設立の流れを徹底解説|必要書類・費用・期間がわかる完全ガイド
合同会社は株式会社と並ぶ法人形態の一つで、設立費用を抑えやすく、内部ルールを柔軟に決めやすい点が特徴です。近年は、個人事業主の法人成りや小規模事業の法人化でも選ばれています。
なお本記事では、出資者を「社員」と呼びます。合同会社では、この社員が出資と経営の両方に関わるのが基本です。
簡易な形態とはいえ設立には所定の手続きが必要で、不備があると補正や再提出が必要になり、希望する設立日に間に合わないこともあります。
そこで本記事では、合同会社設立の流れを中心に、必要書類・費用・期間、専門家への依頼判断まで解説します。
合同会社とは?設立前に押さえる基本情報

合同会社とは、会社法で定められた会社形態の一つで、出資者である社員が経営に関わることを基本とする法人です。
株式会社との主な違いは次のとおりです。
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 所有と経営 | 分離(株主と役員) | 一致(社員が経営に関与) |
| 定款認証 | 必要 | 不要 |
| 登録免許税(最低額) | 15万円 | 6万円 |
| 株式での資金調達 | 可能 | 不可 |
出資と経営が一致し、内部ルールを柔軟に決めやすいため、少人数での起業や家族経営、個人事業主の法人成りに向いています。選ぶ際は、設立費用だけでなく、取引先からの見え方や将来の資金調達も踏まえて判断しましょう。
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合同会社設立の流れ

合同会社設立の流れはおおまかに次の通りです
①会社の基本事項を決める
②定款を作成する
③出資金を払い込む
④登記申請書類を作成する
⑤法務局へ登記申請する
⑥設立後の各種届出を行う
関連記事:合同会社を設立するにはどうすればよい?設立の流れやメリット・デメリットを解説
ステップ1:会社の基本事項を決める
合同会社を設立するには、まず会社の基本事項を決めます。
ここで決めた内容が、定款や登記申請書に反映されるためです。
主な項目は、商号、本店所在地、事業目的、資本金額、社員構成です。商号とは会社名のことで、合同会社の場合は商号の中に「合同会社」という文字を入れます。同じ本店所在地に同一商号の会社があると登記できないため、法務局の情報やインターネットで事前確認しておきましょう。
事業目的は、会社が行う事業内容を示す項目です。現在の事業だけでなく、将来展開する可能性のある事業も見据えて記載します。ただし、許認可が必要な事業では、目的の記載内容が要件に関係する場合があります。
たとえば「飲食店の経営」「インターネットを利用した物品の販売」のように、行う事業が分かる表現で記載します。
資本金額は、法律上は少額でも設立できますが、仕入れや運転資金、法人口座開設なども考えて設定することが大切です。複数人で設立する場合は、出資割合、代表社員、意思決定方法も整理しておきましょう。
ステップ2:定款を作成する
基本事項を決めたら、定款を作成します。
定款とは、会社の組織や運営に関する基本ルールを定める書類です。合同会社を設立するには、社員になろうとする者が定款を作成し、全員が署名または記名押印する必要があります。
定款には、必ず記載しなければならない事項があります。具体的には、目的、商号、本店所在地、社員の氏名または名称および住所、社員全員を有限責任社員とする旨、社員の出資の目的および価額などです。漏れがあると、設立手続きに支障が出る可能性があります。
合同会社の定款は公証人による認証が不要です。また、紙の定款では原則として収入印紙代4万円がかかりますが、電子定款を選択すれば印紙代は不要です。
ただし、電子定款には電子署名やPDF作成などの準備が必要です。自分で対応するのが難しい場合は、司法書士へ相談する方法もあります。
ステップ3:出資金を払い込む
定款作成後は、社員が出資金を払い込みます。
合同会社では、設立登記までに出資に係る金銭を全額払い込む必要があります。払込みが完了していないと、出資の履行を証明できません。
払込みは、通常、代表社員となる人の個人口座に行います。設立前は会社名義の銀行口座を開設できないためです。複数の社員がいる場合は各社員が定款で定めた出資額を一人で設立する場合は資本金相当額を、その口座へ入金します。
払込み後は、通帳の表紙、見開きページ、払込みが確認できるページのコピーなどを使い、払込証明書を作成します。ネット銀行の場合は、金融機関名、口座名義人、入金日、入金額が確認できる画面を保存・印刷します。
注意点は、払込日が定款作成日以降であることです。定款作成前の入金は、設立手続き上の出資金の払込みとして扱いにくくなる可能性があります。設立予定日を決めている場合は、順番と証明資料を確認しましょう。
ステップ4:登記申請書類を作成する
出資金の払込み後は、法務局へ提出する登記申請書類を作成します。
合同会社は、必要事項を登記することで法人として成立するため、書類に不備があると補正や再提出が必要になる可能性があります。
主な書類は、合同会社設立登記申請書、定款、代表社員の就任に関する書面、払込みがあったことを証する書面、印鑑届出書、代表社員の印鑑証明書などです。
代表社員は、定款で定める方法と、社員の互選で定める方法があります。定款に代表社員を記載する場合は、登記申請書と内容を一致させます。互選で選ぶ場合は、互選書など選任を示す書面を用意します。
また、会社実印である代表社員印を事前に作成しておくと、設立後の法人口座開設や契約手続きが進めやすくなります。登記申請書類では、本店所在地、資本金額、代表社員の住所氏名、添付書類の有無に誤りがないかを確認しましょう。
ステップ5:法務局へ登記申請する
登記申請書類がそろったら、本店所在地を管轄する法務局へ設立登記を申請します。
合同会社は、登記申請を行った日が会社の設立日になります。特定の日を設立日にしたい場合は、その日に申請できるよう準備を整えておきます。
申請方法には、オンライン申請、郵送申請、窓口申請があります。オンライン申請は法務局に出向かずに申請できる一方、電子証明書や申請用ソフトの準備が必要です。郵送申請は窓口へ行く時間を確保しにくい場合に利用できます。
合同会社の設立登記では、登録免許税の納付も必要です。登録免許税は資本金の額の0.7%ですが、その金額が6万円に満たない場合は6万円です。多くの小規模な合同会社では、登録免許税は6万円となります。
登記完了後は、登記事項証明書や印鑑証明書を取得できるようになり、法人口座開設、税務署や年金事務所への届出、取引先との契約などで使用します。
ステップ6:設立後の各種届出を行う
合同会社は、設立登記が完了すればすべての手続きが終わるわけではありません。事業を開始するには次の届出も行います。
| 届出先 | 主な書類 | 対象・備考 |
|---|---|---|
| 税務署 | ・法人設立届出書・青色申告承認申請書 | 青色申告は提出期限に注意 |
| 年金事務所 | ・健康保険・厚生年金保険新規適用届 | 役員報酬が発生する場合も対象 |
| 労働基準監督署ハローワーク | ・労働保険・雇用保険の手続き | 従業員を雇用する場合 |
青色申告には欠損金の繰越しなどのメリットがあり、設立初年度から適用を受けたい場合は提出期限を確認しておきましょう。
従業員を雇用する場合は、設立前から手続きを確認しておくと安心です。
合同会社設立にかかる費用・期間

合同会社の設立費用は、紙の定款を使うか、電子定款を使うかで変わります。最低限必要な主な費用は、登録免許税と定款に関する費用です。
| 費用項目 | 紙の定款 | 電子定款 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 6万円〜 | 6万円〜 |
| 収入印紙代 | 4万円 | 不要 |
| 合計(目安) | 約10万円 | 約6万円 |
登録免許税は、資本金の額の0.7%で6万円に満たない場合は6万円です。電子定款は印紙代が不要ですが、作成には電子署名などの環境が必要です。
設立までの期間は、基本事項の決定から登記完了まで、おおむね2〜4週間程度が目安です。
登記申請後、完了までの期間は法務局の混雑状況により異なり、1〜2週間程度かかることもあります。法人口座開設や取引開始の予定がある場合は、余裕を持って設立スケジュールを組みましょう。
合同会社の設立は司法書士への依頼がおすすめ

合同会社は株式会社に比べて設立手続きが簡素な面があります。しかし、登記申請には法律上の知識と正確な書類作成が求められます。そのため、手続きの確実性を重視する場合は、司法書士への依頼がおすすめです。
司法書士は、会社・法人登記の専門家です。合同会社設立では、定款作成の支援、登記申請書類の作成、法務局への申請代理などを依頼できます。特に、事業目的の記載、代表社員の定め方、資本金や社員構成、添付書類の確認は、初めての人が迷いやすい部分です。
司法書士に依頼するメリットは、書類不備による補正や差戻しを防ぎやすいことです。登記申請書類に不備があると、希望する設立日に間に合わない可能性があります。設立後すぐに法人口座開設や契約締結を予定している場合、登記の遅れが事業開始に影響することもあります。
また、書類作成や法務局とのやり取りを任せられるため、設立準備と並行して本業の立ち上げに専念しやすくなります。
依頼の流れは、相談予約、必要事項のヒアリング、定款や登記書類の作成、出資金払込み後の確認、法務局への申請という順序です。複数人で設立する場合、許認可が関係する事業、設立日を確実に調整したい場合は、早めに司法書士へ相談すると安心です。
まとめ
本記事では合同会社の設立について解説しました。設立費用を抑えやすく、内部ルールを柔軟に決めやすい合同会社は、個人事業主の法人成りや小規模事業の法人化を目的として頻繁に利用されています。
スムーズに手続きを行うためには、早めに司法書士に相談することをおすすめいたします。




