会社設立を司法書士に依頼するには?費用相場・依頼の流れ・選び方を解説

会社設立では、定款作成、資本金の払い込み、設立登記など複数の手続きが必要です。特に設立登記は会社を成立させる重要な手続きであり、申請書類に不備があると補正対応が必要になることもあります。そのため、起業家や個人事業主が法人化を進める際は、司法書士に依頼することで、登記手続きを正確に進めやすくなります。
本記事では、会社設立を司法書士に依頼する際の費用相場、依頼から設立完了までの流れ、司法書士の選び方を解説します。
会社設立時に司法書士に依頼できる業務

設立登記の申請代理は、司法書士の独占業務です。司法書士法第3条に基づき、登記に関する手続きの代理や、法務局へ提出する書類の作成は司法書士のみが業として行えます。
会社設立では商業登記手続きが必要になるため、司法書士が依頼先になります。定款作成や電子定款認証のサポートを受けられる場合もあります。
なお、司法書士に依頼するメリット・デメリットは、別記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
関連記事:会社設立の手続きは司法書士に依頼すべき?自分で手続きする場合との違いや費用も解説
設立登記の代理
設立登記の代理は、司法書士に依頼できる代表的な業務です。
司法書士は、司法書士法第3条に基づき、登記に関する手続きの代理や、法務局へ提出する書類の作成を業務として行えます。そのため、株式会社や合同会社の設立登記申請書の作成、添付書類の準備、法務局への申請代理を任せることが可能です。
一方、行政書士や税理士などの他士業は、業として設立登記の代理を行うことはできません。登記まで依頼したい場合は、司法書士に相談する必要があります。
定款の作成・電子定款認証のサポート
司法書士には、会社の基本ルールとなる定款の作成サポートも依頼できます。
定款には、商号、本店所在地、事業目的、資本金、発起人などを記載します。株式会社の場合は、公証役場で定款認証を受ける必要があり、司法書士が電子定款の作成や認証手続きを支援することがあります。
電子定款を利用すれば、紙の定款で必要な収入印紙代を節約できます。司法書士に依頼することで、設立費用を抑えながら記載漏れも防ぎやすくなります。
会社設立を司法書士に依頼するときの費用相場

会社設立を司法書士に依頼する費用は、「司法書士への報酬」と「法定費用」に分かれます。それぞれの費用相場を確認しましょう。
司法書士への報酬
司法書士へ支払う報酬は、株式会社設立で5万〜10万円程度、合同会社設立で3万〜7万円程度が目安です。
ただし、実際の金額は事務所の料金体系や対応範囲によって異なります。たとえば、定款作成、電子定款認証、登記申請、登記完了後の書類取得まで含むプランもあれば、登記申請のみのプランもあります。
見積もりを確認する際は、報酬額だけでなく、対応範囲や追加費用の有無も確認しましょう。
会社設立にかかる法定費用
会社設立では、司法書士報酬とは別に法定費用が必要です。
代表的な費用は登録免許税で、株式会社は15万円または資本金額の0.7%の高い方、合同会社は6万円または資本金額の0.7%の高い方がかかります。株式会社では定款認証手数料が必要で、資本金額に応じて3万〜5万円が原則です(100万円未満:3万円/100万円以上300万円未満:4万円/300万円以上:5万円)。
なお、2024年12月1日以降、資本金100万円未満で発起人が自然人3人以下など一定の要件を満たす場合は、1万5,000円に軽減されます。
紙の定款を選択する場合は、別途収入印紙代4万円が必要です。電子定款であればこの印紙代は不要となるため、司法書士に依頼する場合は電子定款が選ばれるのが一般的です。
司法書士に会社設立を依頼してから完了までの流れ

司法書士に会社設立を依頼してから完了までの流れを確認しておきましょう。
依頼から会社設立、各種届出までの所要期間の目安は次のとおりです。
・依頼〜基本事項決定:1〜2週間
・定款認証〜資本金払込〜登記申請:数日〜1週間
・登記完了:1〜2週間
設立希望日がある場合は、逆算してスケジュールを組むことが大切です。
ステップ1:事前準備
会社設立をスムーズに進めるには、相談前の事前準備を行います。
あらかじめ会社名、事業目的、本店所在地、資本金、発起人、役員構成などを整理しておくと、司法書士との打ち合わせが進みやすくなります。
まだ詳細が固まっていない場合でも、現在の事業内容や将来行いたい事業を伝えられるようにしておきましょう。
事業目的は許認可の取得にも関わるため、許認可が必要な事業を予定している場合はその旨も併せて伝えると、後の打ち合わせがスムーズです。
関連記事:
定款の事業目的の決め方|許認可取得に必要な記載とは
会社設立で混同しやすい発起人と設立時役員の違い|会社設立メンバーの基礎知識
ステップ2:司法書士への相談・見積もり依頼
事前準備ができたら、司法書士へ相談し、見積もりを依頼します。
この段階では、複数の事務所に相談し、費用や対応範囲を比較することが大切です。同じ会社設立でも、定款作成、電子定款認証、登記申請、証明書取得、他士業への連携まで含むかは事務所によって異なります。
相談時には、会社の概要、設立希望日、株式会社か合同会社か、許認可の有無などを伝えられるよう準備しましょう。
ステップ3:会社の基本事項を決定
司法書士へ依頼した後は、会社の基本事項を確定します。
決めるべき事項は、商号、本店所在地、事業目的、資本金、発起人、役員構成などです。これらは定款や登記申請書に反映されるため、後から変更する場合には追加の登記手続きや費用が発生することがあります。
特に事業目的は、建設業、古物商、宅地建物取引業など許認可が関係する事業では、要件と整合させる必要があります。司法書士の助言を受けながら確定しましょう。
ステップ4:定款の作成・認証
会社の基本事項が固まったら、司法書士が定款案の作成をサポートします。
定款は会社の基本ルールを定める書類で、商号、目的、本店所在地、出資額、機関設計などを記載します。株式会社の場合は、公証役場で定款認証を受ける必要があります。
電子定款を利用する場合は、司法書士が電子署名や公証役場とのやり取りを支援することがあります。一方、合同会社は定款の作成は必要ですが、認証は不要です。
ステップ5:資本金の払い込みと登記申請
定款作成後は、発起人個人の口座へ資本金を払い込み、払込証明書を作成します。
会社設立前は法人名義の口座を開設できないため、発起人の個人口座を利用するのが通常です。必要書類がそろったら、司法書士が法務局へ設立登記を申請します。
会社は、原則として設立登記の申請日に成立します。なお、2026年2月2日からの制度改正により、所定の要件を満たして事前申請を行えば、土日祝日も会社設立日として指定できるようになりました。
そのため、設立希望日がある場合は、申請可能日や必要書類の準備状況を事前に確認しましょう。
登記完了までは通常1〜2週間程度が目安です。
ステップ6:設立後の各種届出
登記完了後も、会社設立に関する手続きは残ります。
設立後は、税務署、都道府県、市区町村へ法人設立届出書などを提出する必要があります。また、役員報酬を支払う場合や従業員を雇用する場合には、年金事務所への社会保険関係の届出も必要です。
これらは税理士や社会保険労務士の対応領域になるため、司法書士から他士業へ引き継げる体制があるか確認しておくと安心です。
会社設立を依頼する司法書士の選び方

司法書士であれば誰に依頼しても同じ結果になるわけではなく、実績や費用体系、サポート範囲によって対応の質は異なります。
依頼後のミスマッチを避けるためにも、以下の3つの観点を確認しましょう。
会社設立の実績が豊富か
司法書士を選ぶ際は、会社設立の実績が豊富かを確認しましょう。
株式会社と合同会社では、必要書類や手続きの流れが異なります。そのため、年間の会社設立対応件数や、株式会社・合同会社それぞれの実績を確認しておくと安心です。また、自社の業種に近い事例があるかも判断材料になります。許認可が必要な業種では、事業目的の記載が後の申請に影響するため、業種特性を理解している司法書士へ相談するとよいでしょう。
費用体系と相談対応が明確か
司法書士を選ぶときは、費用体系が明確かどうかも確認しましょう。
見積書では、司法書士報酬と登録免許税、定款認証手数料などの法定費用が分けて記載されているかを見ることが大切です。
また、追加費用が発生する条件も事前に確認しておきましょう。急ぎの対応、事業目的の大幅な修正、登記完了後の証明書取得などが別料金になる場合があります。
初回相談での説明の丁寧さやレスポンスの速さも、依頼後の進めやすさを判断するポイントです。
設立後の登記や他士業との連携にも対応できるか
会社設立後も、登記が必要になる場面はあります。
たとえば、役員変更、本店移転、目的変更、増資などを行う場合には、変更登記が必要になることがあります。そのため、設立時だけでなく、設立後も継続して相談できる司法書士を選ぶと安心です。
また、会社設立後には、税務届出、社会保険手続き、許認可申請など、他士業が関与する手続きも発生します。税理士、社労士、行政書士などと連携できる体制があるか確認しましょう。
まとめ
本記事では会社設立を司法書士に依頼する場合の費用の相場や手続きの流れ、司法書士の選び方などについて解説しました。
設立登記の代理は司法書士の独占業務であり、定款作成や認証手続きまで一括で任せられます。費用は司法書士報酬と法定費用に分かれ、株式会社か合同会社かによっても変わります。
司法書士を選ぶ際は、会社設立の実績、費用体系の明確さ、相談対応、設立後のサポート体制を確認しましょう。
会社設立は事業運営の土台となる手続きです。早い段階で司法書士に相談し、スケジュールと費用を確認したうえで進めることが重要です。
会社設立に強い司法書士トラストまで、お気軽にご相談ください。




