代表取締役は何人まで選べるのか?
代表取締役は、会社を代表する取締役で、会社法によって定められた会社の最高責任者です。
過去に、このようなご依頼がありました。
今後の事も考えると2人で代表取締役になりたいのですが可能ですか?
皆様もご存じかと思いますが、代表取締役とは株式会社の代表者になります。
ほとんどの中小企業の場合、会社における代表取締役は通常1名で、
その人が代表取締役=社長となります。
ですが、実は代表取締役は何人いても良いのです。
一般的には、代表取締役は1名という会社が多いですし、その方が内部的にも外部的にも分かりやすいと思います。
しかし様々な事情から、代表取締役を複数名置いた方が、会社経営がよりうまくいくという場合もあるでしょう。
そのような時には、代表取締役を複数名置くこともひとつの選択肢になります。
では実際に代表取締役を2名にしたい場合、どうしたら良いのでしょうか?
でもそんなに簡単に出来るものなのでしょうか?
結論から申し上げると、法務局に代表取締役をもう1人登記をすればいいだけです。
とても簡単に思えますが、代表取締役を複数登記するためには、事前に必ず必ず確認しなくてはならないことがあるのです。
それは・・・・・・定款の内容です。
登記をする際ほとんどの場合ですと、法務局に定款を提出しなくてはならないのですが、その内容が違っていると登記できません。
代表取締役を複数置きたい場合は、定款の内容も変更しておく必要があります。
では、実際に定款のどの部分を確認しなくてはならないのでしょうか。
取締役会を設置しない会社の定款ですと
となっていることが多いです。
このままですと、代表取締役は1名しか選べない状態になっているため、定款を変更する必要があります。
ではこの定款を修正してみましょう。
このように1名以上とすることで、何人でも代表取締役とすることができるようになります。
勿論、『2名を定める。』といったように人数を具体的に定めても問題ありません。
しかし、これは取締役の人数規定と一緒になるのですが、人数を具体的に定めてしまうとその数の人員を必ず定めなくてはならない為、弊所では『1名以上を定める』と記載することをお勧めしています。
オーソドックスな定款の内容を記載してみましたが、それぞれの会社で内容は変わってくるでしょう。
会社の実情に合った定款の内容に変更することが大切なのです。
じつは、代表取締役を複数名にする場合、もう一つ大切なことがあります。
それは代表印を共有することができないということです。
「会社」の実印ですので、代表取締役が2名いても印鑑は1本で共有する、と思われている方がほとんどなのですが、会社の代表印は代表取締役と紐づいているのです。
そのため、代表取締役Aさんと代表取締役Bさんがいる場合、
代表取締役Aさんの印として登録した会社の代表印はあくまでもAさんの印であり、
Bさんが使用すること(法的な効力を持たせること)は出来ないのです。
ではどうしたら良いのでしょうか。
代表取締役が複数名いる場合の印鑑登録について、主に2つの方法があります。
① 代表取締役Aのみが会社の代表印を管理する
これは、2人ともに代表取締役であることには変わりはないのですが、契約など大事な時に印鑑が必要な場合には、代表取締役Aさんが代表者として行うようにする、というものです。
代表取締役Bは印鑑を管理せず、会社の代表印(実印)としては代表取締役Aの1本のみを登録してある状態にすることになります。
② 代表取締役Bも印鑑を用意して印鑑登録する
これは、2人とも1本ずつ会社の代表印(実印)をそれぞれに管理するというものです。
この場合、この2本の印影は変える必要がありますので
異なる2本の印鑑を用意して、それぞれに会社の実印として印鑑登録を行います。
こうすることで、代表取締役Bも自身の印鑑を管理することが可能になります。
※それぞれ印鑑登録をする場合は、どちらの登録印が分からなくならないよう保管することが大切です。
弊所では、しっかりと将来のビジョンをお伺いしたうえで定款の内容を作成させていただきます。
もし将来的に変更する可能性が少しでもあるのならば、その時に定款変更をわざわざしなくても手続きができるよう、なるべく考慮して定款を作成させていただきます。
また、印鑑に関しても弊所の方で代理注文をすることが可能ですし、登記手続きの際にまとめて代表印の登録手続きもさせて頂きます。
もちろん、複雑な書類作成もすべて作成いたします。
是非一度、司法書士法人トラストまでご相談下さい。